お酒のもう1つの楽しみ方|体験談
飲み方あれこれ!
お酒大好きな方のおすすめ&こだわりの飲み方を紹介しています。
浴びるように飲んでいた頃
私の家族は代々お酒好きです。
よくみんなで集まり、ワイワイガヤガヤお酒をたくさん飲んで、騒いで楽しくやっていました。
そんな環境で育った私も、当然のようにお酒が大好きになりました。
大学生の頃は、それこそ浴びるように飲んでいました。
友だちと飲むのが楽しくて仕方がなく、一度飲み出したら飲み潰れるまで飲んでいました。
大学周辺の道路で横になったことのない道路はないというくらい、色々なところで酔い潰れて寝転がっていました。
大学卒業後は、レストランチェーンに就職し、仕事は忙しかったのですが、相変わらずお酒を飲んでは酔い潰れ、色々なところで寝てしまい、何枚もスーツをダメにしていました。
じっくりと”味わう”という飲み方を教わり、、
そんな私を見兼ねたのはお店の店長でした。一度二人で飲みに行った時に言われました。
「君のように、楽しく賑やかに飲むのも、正しい飲み方だけど、せっかくだから、別のお酒の飲み方も身に付けたらどう?」と。
決して感情的にならず、同じ目線で、的確にアドバイスしてくれる店長を、私は尊敬していました。
それから時間があれば、お酒に誘ってくれ、私の知らない飲み方を教えてくれました。
将来、仕事でお酒を飲む機会があるので、その時に困らないような飲み方を教えてくれたのです。
まずウチまできちんと歩いて帰れるくらいの量しか飲まないようにする。
お酒の味を楽しむこと。
初めの一杯は思いっきり楽しんで飲み、二杯目以降は飲むペースをコントロールするなど、今までとは180度違う飲み方でした。
正直最初は物足りなくて、ウチに帰って飲み直したりしていましたが、店長は笑って許してくれました。
しかし、回数を重ねていく内に、店長と飲みに行くのが楽しくなっていきました。
毎回、ワインや日本酒、焼酎だったりと、店長お薦めのお酒を飲ませてもらいました。
恥ずかしながら、その時に初めてお酒の味を楽しむ事を覚えました。
それまでは、ただ酔うために飲んでいただけでした。
味を楽しみながら飲むためには、自然とペースは落ちますし、酔うとお酒の味がわからなくなるので、味わえる範囲で飲むようになり、潰れることもなくなりました。
店長は、
「楽しく飲むのも正しい飲み方だけど、お酒も誰かが美味しくなるように丹精込めて作ってるんだから、味を楽しまずに、ただ酔うだけってもったいないでしょ?」
と教えてくれました。
もう酔い潰れるまで、飲むようなことはなくなりました。
店長と最後に飲みに行った時に、免許皆伝を頂きました。
そのお祝いということで長野県の地酒「明鏡止水」を燗でいただきました。
日本酒といえは我が家では、早くたくさん飲みたいので、冷やでグイグイ飲んでいました。
しかし、燗で飲んだ「明鏡止水」はまさに豊潤でした。米の味ってこんなに美味しいんだ!と感動してしまいました。
「こんな風にお酒や料理の味を楽しみながら飲むのも楽しいよね」
と言った店長の笑顔が忘れられません。
あれからまもなく20年。私も40歳になり、先日私の甥っ子が20歳になりました。
昔の私のように浴びるように飲んでは酔い潰れています。
今度は私が店長に教えてもらった飲み方を甥っ子に教えることができそうです。