カクテルの扉を開いた瞬間｜体験談
カクテルにまつわるエピソードを紹介しています。
今回は20代女性の方です。
苦みはスッキリとした味わいへ
私にとってカクテルのイメージは「甘い飲み物」でした。
20歳なりたての頃、カラオケのドリンクメニューに並ぶ定番カルーアミルクやカシスオレンジはきらきらと輝いて見えました。
しかし、いざ口にしてみると美味しいけど甘い。
元来渋好みの私は、
「カクテルは可愛い女の子が飲むものだ」
という間違った認識を持ってしまったのでした。
月日は流れ、就職してお酒を口にする機会も増えました。
ビール、ワイン、ハイボール、日本酒、世の中には素敵なお酒がいっぱいです。
私の飲めるお酒は増え、ますますカクテルから遠ざかる日々を過ごしていました。
その頃はお酒とおつまみの食べ合わせを知ることが楽しく仕事帰りに友人達と飲み歩いてはお気に入りを増やして大人の仲間入りをした気分でした。
そんなある日、会社の二次会で素敵なバーへ行くことに。
「カクテルは苦手なんだよな、ビールでも飲もうかな」
などと考えていましたが、いざ店内に入ってみると素敵なリキュールの瓶がずらり。好みの味を伝えれば合わせて作ってもらえるとのこと。
お店の素敵な雰囲気とマスターの仕事ぶりに感銘を受けた私はお願いしてみることに。
そして出会ったのが、
「カンパリ・ソーダ」
でした。
おそらくそのカクテルはカラオケや居酒屋にもあったでしょう。
しかし、カクテルとの関係を最初の段階でこじらせた私は不覚にも口にしたことがありませんでした。
マスターから差し出された少し赤みがかったカンパリ・ソーダを飲んでみると独特の苦味と香り。
これは美味しい、独特の苦味はすっきりとした後味へと変わり飲みやすい。
小皿に盛られたミックスナッツとの相性は抜群でするすると入っていきます。
この日、私はカクテルの新たな扉を開けたのでした。
この日からバーで二次会という時は傍らにカンパリ・ソーダが定番となりました。
さらには派生してカンパリ・オレンジも飲むようになりました。
こちらは少し酸味が加わって大人のオレンジジュースといった雰囲気。
甘いおつまみ、塩味のおつまみ不思議とどんなものにもしっくりきます。
そんなある日、私は酒屋さんのリキュール棚に小さなカンパリを見つけ購入。
自作でカンパリ・ソーダを作ってみました。
しかし、大雑把な性格ゆえに適当にソーダとカンパリを配合したところとんでもなく苦い、木の香りのするカクテルが出来上がりました。
きちんと配合することであの程よい苦味と爽やかな香りを作るのですね。
やはりカクテルの道は奥が深い。
【カンパリソーダ】
●カンパリ・・・30ml
●ソーダ・・・60~80ml
●カットレモン1/8~1/4、絞り入れる。
〇ステア
鹿児島在住、元バーテンダー。
