所作1つ1つに感動!|体験談
カクテルにまつわるエピソードを紹介しています。
今回は30代女性、会社員の方です。
瑞々しいグレープフルーツの香り
“もともと両親が厳しくて…夜遊びとは無縁の生活を送っていました。
そんな私が派遣社員で働いていた会社を辞める時、送別会を開いてもらえることになったんです。
私を含め辞めるのは3人、もちろん主役だからこそ出ないわけにもいかず、
(内心ものすごくうれしかったんですが…)
送別会に参加することになりました。
当時20代半ば。ワクワクが止まりませんでした。
一次会は普通の食事と飲みができるお店で、次が二次会。会社のオジサマたちがいきつけのお店、とのことでした。
場所が場所だっただけに(名古屋の錦三丁目というところです)、おねえさんがいるお店!?かと思いきや、中年の女性が働いている、ちょっと狭いバーに近い感じのお店でした。
スナック、と言われる部類のお店なのかもしれません。
そこに勤めている方たちの話し方はホント、ざっくばらん。近所のオバちゃん、という感じで、あまり期待はしていませんでした。
ひどいようですが、期待できるような雰囲気ではなかったのです。
どんなお酒がいいのー?なんて言われて、飲みやすいお酒がいい、と伝えました。
するとテレビでよく見る、シェイカーを振り、カクテルを作るではありませんか。
手際のよさと動き1つ1つに感動すら覚えました。
グラスに注いでくれた後はフルーツで飾り付けをしてくれて、私の前に出してくれました。
全員に好みを聞いて、ささっと作ってくれるんですから。
すごくカッコよかったです。
実際に飲んでみると、グレープフルーツがみずみずしくて。
本当に飲みやすいお酒でした。
明らかにお酒なんですが、どんどん飲めてしまうという。
ある意味怖いと言えば怖いんですけど、すごくおいしかったです。
なんのお酒を使っているのか、とか詳しい話を聞くことができなかったのが残念ですね。
その後、一人暮らしをして、いろんなお店にも行きましたが、あの店ほどおいしいお酒を飲ませてくれるお店に出合うことはできませんでした。
今でもその付近を通ると思い出しますね。
街が街だけにひとりで行くことはできませんし、連れて行ってくれた元上司が亡くなってしまったのでもう行くことは出来ません。
ただ、なんとなく覚えているお店の名前を検索してみたところ、ヒットしたので。
今でもそのお店はやっているのかもしれません。
メンバーズ、っぽいので、会員の人しかいけないのかな?
移り変わりが激しいあの錦三丁目で今でも続いているのだとしたら、もしかしたら、常連の方がたくさんいるのかもしれませんね。
あの飲みやすさ、おいしさ、月日がものすごく経った今でも忘れることができません。