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【書評】ゲコノミクス巨大市場を開拓せよ!|より幸せな世界へ

こんにちはこんばんわ、かーりーです。

今回は藤野英人さんの「ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!」の書評をしたいと思います。

本屋でたまたま見つけて即買い、一気に読みました。

大変勉強になったし、本書に書かれているような未来になって行くんだろうなと思いました。

まずはゲコノミクスやゲコノミストとは?と思ってる人も多いかと思うので、その解説を。

そして本書で僕が印象に残った部分を引用して、解説やら感想やらを述べたいと思います。



ゲコノミクス、ゲコノミストとは?

お酒を飲む人、飲める人を上戸(じょうご)、お酒を飲めない人、飲まない人を下戸(げこ)と言います。

平安時代、律令制で階級分けがありました。

どんな分け方かというと、、

資産、納税額の多い順から

・上戸
・中戸
・下戸

これにより、婚礼など祝いの席に出せるお酒の量も決まっていたそうです。

上戸の家は8かめ、
下戸の家は2かめ、、

みたいな感じで。

こういったことがもとでお酒を飲む人を上戸、飲まない人を下戸というようになりました。

で、ゲコノミクスとは?なんですが、、下戸とエコノミクスの造語ですね。

エコノミクスとは経済とか経済学のこと。

つまり、ゲコノミクスとは、

下戸の人たちをターゲットにした飲食、飲料関係の市場のことです。

で、ゲコノミストとは、

お酒を飲めない、飲まない、飲みたくない人の総称のこと。

逆にお酒を飲む人のことは「ノミスト」となります。

著者が目指しているのは、このゲコノミストとノミストの幸せな共存社会の実現です。

 

日本人の半分以上はゲコノミスト


ゲコノミストはマイノリティとはいえないことも分かっています。

(ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!:P40)



日本人の半分以上はお酒に弱い、飲めない人です。

意外かもしれませんが、厳然たる事実です。

なのにいわゆるノミストが大きな顔をし、ゲコノミストは肩身の狭いおもいをしてきました。

「単価の低い客」として長らく冷遇されてきたわけですので、ノンアルコール分野はほとんど手つかずの市場です。

時代の変化とともに、その巨大市場開拓のチャンスが今訪れようとしているわけです。

確かに、日本人の場合、半分以上はお酒に弱い、飲めないタイプです。

にもかかわらず、「お酒は飲めた方がいい」「飲めた方がかっこいい」みたいな風潮がありました。

僕自身、「なぜ飲める人の方が少ないのにそういう風潮なんだろう?」とあまり深く考えたことはなかったでした。

それぐらい当たり前だったわけです。

でも今や、飲まないことが世界的トレンドだったりします。

「忘年会スルー」なる言葉も登場したりなんかして、、。

本書でも書かれていますが、企業におけるアルコールの位置づけも大きく変化してきており、「健康経営」への意識が高まりつつあります。

時代は変化しつつあります。



ゲコノミストは非常に多様



ゲコノミストと一言で言っても、主に4つのタイプに分類できるようです。

ゲコノミスト4分類
➀嫌いだし飲めない
➁お酒が好きだけど飲めない
➂体質的にお酒に強いけど飲むのは嫌い
➃お酒は好きだし体質的にはに飲めるけど飲まない

(ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!:P52)


これまで僕は「お酒を飲まない人、飲めない人」という大きなひとくくりでしか考えていませんでした。

でもこれを見るとゲコノミストは実に多様です。

また実はゲコノミストなのにノミストのふりをするパターンもあるようです。

「お酒は飲めません」と宣言すればいいじゃん、と思いますが、状況によってはそう簡単ではないようです。

いろいろ苦労しているわけです、ゲコノミストは、、。

その辺の内情をノミストである自分はもっと知るべきだな、と思いました。


ちなみに著者はフェイスブックにて

「ゲコノミスト(お酒を飲まない生き方を楽しむ会)」

というのを運営しています。

本書ではそのグループで得た、ゲコノミストの方たちの本音、胸の内というのも書かれています。

大変勉強になります。



ゲコノミスト市場開拓は良いことしかない!?

ゲコノミスト市場開拓には、世の中の幸せの総量を増やす効果しかないわけです。

(ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!:P150)



ゲコノミスト市場の開拓とは具体的にどういうことなのかというと、いろいろあると思いますが、要はこれです。

ペアリング、マリアージュを意識したノンアルコールの充実



お酒と同じように料理に合わせてノンアルコールを選ぶ、飲むことができる。

そうなれば、本当に品質の高いものならお酒と同じ価格でも問題ありません。

料理に合わせたノンアルコールドリンク、今までありそうでなかったものです。

ここに市場開拓の余地があるのでは、というのです。

これからの時代、

自分がどうしたいのか、堂々と表明できる価値観が大切にされるようになるでしょう。

(ゲコノミクス 巨大市場を開拓せよ!:P147)



となるので、ゲコノミクスが盛り上がっていくのでは!?というのです。

飲める人も飲めない人もお互いその考え、価値観を尊重し合い、幸せな共存社会を築いていきましょう。

著者が伝えたかったことはこの点だと思います。



まとめ:お酒と人の付き合い方を改めて考えさせられる良書


気になる点が1つ。

ゲコノミストは冷遇されてきたというのは確かにそうだとは思いますが、本書を読んで若干被害妄想的なものもあるのではと思いました。

お店側はそんな言うほど飲めない人を毛嫌いというか、冷たくしてはないと思います。

お酒を飲んでくれた方が単価が上がりやすいのは事実ですが、いい店ほど一番重きを置いているのはリピートしてくれることです。

飲める飲めないは二の次です(すべての店がというわけではないですが)。

メニューや看板にゲコノミストを寄せ付けないと思わせる文言があるかもしれませんが、結果そうなっただけです。

料理目的だけで居酒屋ののれんをくぐってもOKだと思います。

居心地や対応が悪ければそうそうに切り上げて二度と行かなければいいだけです。

飲める飲めない関係なしに店の当たりハズレはあります。

ちゃんとした店は、しっかりともてなしてくれます。

飲食業経験のある僕の意見です、はい。


とは言え、この本を読んで今まであまり深く考えてこなかったゲコノミストの本音が知れたし、新たな発見、気づきがあったのでノミストにもゲコノミストにもぜひ手に取ってほしい良書です。

個人的な意見ですが、世界は少しずつだけと確実に幸せな社会になっていると思っていて(例えば、100年前の世界よりは確実に今の方がいいと言える)、多様性を認める、というのは大事だなと改めて感じました。

今以上により幸せな世界へ!

その1つが「ゲコノミスト市場開拓」というわけです。






管理人 かーりー

鹿児島在住、元バーテンダー。
趣味はお酒、読書、音楽鑑賞。この3つがあればとりあえず人生OKと思っている。40代、独身。

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