お酒づくりは自然とともに|コラム
熟成の過程においてそのお酒の水分やアルコールが蒸発し、量が目減りすることを、
「天使の分け前」
あるいは、
「天使の取り分」
と言ったりします。
木製の樽だと気体は通過するので熟成すればするほど水分やアルコールは蒸気となり出ていってしまいます。
熟成期間が長くなればなるほど、お酒の量は減っていってしまいます。
20年、30年物が高値になる原因です。
おそらく昔はなぜ目減りしてしまうのか原因が分からず、おいしい酒を天使が持っていったと考えてこのような呼び名がついたのでしょう。
ウイスキーを生産している人の側から考えるとやはり痛いはなしだそうで、この損失を防ぐべく、日々研究が行われているとのこと。
また熟成する場所、地域によって蒸発率が変わってくるので場所選びも何気に重要だったりします。
さらに地球温暖化が進むと蒸発率は上がるので天使に納める量は増えてしまう。
(本当に天使がおいしいと言って喜んで飲んでるのならまだマシですが)
一方で熟成のスピードが早くなるという、利点といえば利点なこともあるわけで。
改めて、お酒造りは自然とともあるのだなぁと思ったりなんかして。