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【お酒】スピリッツとは!?世界4大スピリッツの基礎知識


こんにちはこんばんわ、かーりーです。

世界4大スピリッツといえば、、

ジン、

ウォッカ、

ラム、

テキーラです。

生産量や消費量、味わいや知名度の観点からこんな感じになっています。

ちなみに、スピリッツとは蒸留酒のことです。

これらのお酒は”カクテルのベースのお酒”というイメージが強いかと思います。

個人的にはジンや熟成ラムなど好きで、ロックやストレートでたまに飲んだりします。

もっと単体で飲まれてもいいのになぁと思っていたところ、

にわかにクラフトジンなるものが注目を集めたりなんかしています。

そこで今回は4大スピリッツの基礎知識を分かりやすくお伝えします!


スピリッツとは


お酒でスピリッツというと蒸留酒のことを指します。

なのでウイスキーやブランデーもスピリッツと言えます。

無色透明なスピリッツの総称をホワイトスピリッツと言います。

一般的にスピリッツと言うとこちらのことを指します。

一方、樽熟成させ、琥珀色に染まったウイスキーやブランデー、熟成ラムなどはブラウンスピリッツです。

単にスピリッツと表現されてもこちらを指すことは、ほとんどないと思います。

なぜ、スピリッツというのか


ではなぜ、蒸留酒のことをスピリッツと言うのでしょうか?

それは、こんな感じ。

・スピリットの本来の意味は精神とか魂

・ラテン語では呼吸とか勇気とか活気

・中世の頃、蒸留の技術は確立されたが、その原理はよく分かっていなかった

・なのでとても神秘的に見えた

・ほとんどの蒸留酒の語源、意味は「命の水」

・戦いの前など命の水である、度数の高い蒸留酒を飲むことでチカラが湧いてくる

・もはやこの液体こそ「生命」、「魂」である

みたいな。


そもそもスピリット(spirit)は精神とか魂とかいう意味です。

この語源を調べてみるとラテン語でspiritus、息とか呼吸、勇気や活気とかいう意味だそうです。

それが派生して魂や精神、生命といった意味になっていったと考えられます。


世界で初めてのお酒はビール、もしくはワインの原型のような、いずれにせよ醸造酒でした。

お酒と言えば酔っ払って楽しむというよりは、天からの授かりもので神秘的なもの。

そして医療用、薬用のニュアンスが強かったようです。


時代が下り、蒸留の技術が発明されるとお酒はより神秘的に映ったと考えられます。

蒸発し、一度消えた液体が、冷却することにより戻ってくる。

再び現れた液体は、風味、香味が凝縮され、アルコール度数も増している。

しかも雑味がなくなりよりクリアになっている。

悪酔いもしにくくなった。


近代科学が成立する前、錬金術全盛の中世の頃です。

液体が消えているあいだに、

「何らかの神的なチカラが働いた」

と考えた、と思われます。

これによりお酒が、というより蒸留酒がより神秘的なものになっていった。

ラテン語で蒸留酒のことをアクアビテと言います。

ウイスキーの語源はゲール語でウシュクベーハ。

北欧などでジャガイモを原料とした蒸留酒をアクアビット。

ブランデーに関する世界最古の文献の中でワインを蒸留したもののことをフランス語でオードヴィー。

ウォッカに付けられた最初の名前がジーズナヤヴァダー、、、

これらの名前はすべて「命の水」という意味です。


そしてここからは個人的な見解ですが、

命の水である度数の高い蒸留酒を飲むことで活気づき、勇気が湧いてくる(戦いの前など)。

神様のチカラを得たような気になる。

もはやこの液体そのものこそ生命であり、魂であると、、、

このような解釈から蒸留酒のことをスピリッツというようになったのではと考えます。

お酒に対する認識が今とはだいぶ違う頃のことです。

蒸留酒の基本的な製造方法


ここで蒸留酒がどのように造られるのか簡単に説明します。

アルコールは微生物の1種である酵母によって生成されます。

酵母が糖分を食べ(分解し)、アルコールと炭酸ガスを発生させます。

いわゆる「発酵」というヤツですが、これを利用してお酒を造ります。


ここで大事なのは糖分がなければお酒にはならないということです。


原料がぶどうなどの果実や糖蜜なら糖分がすでにあるので、酵母を加えれば直ちに発酵が起こります。

原料が穀物など糖分が含まれていないものは、主成分であるデンプンを糖質に変える必要があります(糖化)。

糖化についてはこちらで⇩⇩⇩



ものすごくザックリ言うと酵母が糖分を分解し、アルコールが発生した液体をそのまま製品化したものが醸造酒。

(ワインや日本酒、ビールなど)

その液体(醸造酒)を蒸留し、アルコール分を高めたものが蒸留酒です。

蒸留とは何かというと、、

液体を加熱すると沸騰し、蒸発しますが、その気体を集め冷やすと再び液体に戻ります。

この一連の工程の事を言います。

理科の実験のアルコールランプだとか枝付きフラスコだとかのヤツです。


そして、アルコール度数が高まる理由は、

水の沸点よりエチルアルコールの沸点が低いから

です。


水の沸点は言うまでもなく100℃。

エチルアルコールの沸点は78.3℃。

アルコールが含まれている液体を加熱するとまず、沸点が低いエチルアルコールが多く含まれている気体が発生します。

この気体を集め冷却すると当然液体に戻りますが、その液体はアルコール度数の高いものになっています。

(アルコール分を多く含んだ気体を冷却したから)

また蒸留することで雑味のない純度の高い液体となります。

香味や風味も凝縮されます。

蒸留酒が悪酔いしにくいのは蒸留することで雑味が取り除かれ、クリアになっているからと考えられます。

(体質にもよるので一概には言えませんが)

こうしてできた度数の高い原酒を濾過したり、加水したり、樽熟成させたりして蒸留酒は出来上がります。

世界4大スピリッツ


4大スピリッツであるジン、ウォッカ、ラム、テキーラがそれぞれどのようなお酒なのか見ていきたいと思います。

ジン

  



ジンは、

穀物を原料にして、糖化、発酵、蒸留したあと、草根木皮(そうこんもくひ)の香味成分を加えて再溜した無色透明なお酒

です。

甘味やフルーツの色やフレーバーを加えたタイプのものもあります。

辛口で無色透明なジンを「ドライジン」と言います。

単にジンと言えばこのドライジンのことを指します。

ジンの特徴といえば草根木皮で香りづけしている点だと思います。

メーカーや目的に応じて使用される草根木皮は様々ですが、代表的なものにジュニパーベリーがあります。

杜松(ねず)というヒノキ科の常緑樹(一年中緑の葉を保っている木)の実です。

これによりジン特有の爽快感を感じる風味になります。

【製造方法】
製造方法は、まず度数の高い蒸留酒をつくり、草根木皮の成分を加えつつ再び蒸留(再溜)します。

草根木皮の成分を加える方法には2通りあります。

●その1
・原料を糖化、発酵させ発酵液をつくる
 ↓
・その発酵液から、連続式蒸留器で度数の高いニュートラルな蒸留酒をつくる
 ↓
・この蒸留酒に草根木皮を漬け込みもう1度単式蒸留器で蒸留する。


●その2
原料を糖化、発酵させ発酵液をつくる。
 ↓
連続式蒸留器で度数の高いニュートラルな蒸留酒をつくる。
 ↓
単式蒸留器の上部に円筒を取り付け、そこに草根木皮を詰め蒸留する。
蒸気ともに香味成分を抽出させる方法。


ウォッカ

  



ウォッカは、

穀物を原料とし糖化、発酵させ、連続式蒸留器で蒸留後、白樺などの炭で濾過(ろか)した、クセのない味わいのお酒

です。

ただジンと同じようにフルーツや草根木皮などの香りを加えたフレーバードウォッカなるものもあります。

スウェーデンの「アブソルート」やポーランドの「ズブロッカ」が有名です。

【製造方法】

穀物を糖化、発酵させ発酵液をつくる
 ↓
連続式蒸留器で蒸留、より度数の高い蒸留酒(95度以上)をつくる
 ↓
加水して40~60度まで度数を下げる
 ↓
白樺などを用いてつくられた活性炭で濾過する
(これにより刺激成分を除去し、まろやかでクセのない味わいとなる)


ラム

  



ラムは、

サトウキビの搾り汁を煮詰めて、砂糖の結晶を取り除いたあとの糖蜜を原料に発酵、蒸留してつくられるお酒

です。

発酵や蒸留方法の違いによって風味の軽い順から

ライトラム、

ミディアムラム、

ベビーラム、

と3つに分類されます。

また色によっても、

ホワイトラム、

ゴールドラム、

ダークラム、

とこれまた3つに分類されます。

【製造方法】

●ライトラム
糖蜜を水で薄めて発酵させる
 ↓
連続式蒸留器で蒸留する
 ↓
加水し、タンクか内側を焦がしていない樽で熟成させる
(樽熟成で着色した色を活かすとゴールドラムになる)
 ↓
加水、濾過する


●ミディアムラム
糖蜜を水で薄めて発酵させる
 ↓
単式又は連続式蒸留器で蒸留する
(単にライトラムとヘビーラムをブレンドすることもある)
 ↓
樽で貯蔵、熟成させる
 ↓
加水、濾過する


●ベビーラム
糖蜜の中にあるモラセス(糖分やミネラルが含まれている黒褐色で粘度の高い液体)を自然発酵させる
(サトウキビの搾りかすや前回の蒸留残留液を加えることもある)
 ↓
単式蒸留器で蒸留する
 ↓
内側を焦がしたオーク樽で3年以上熟成させる
 ↓
加水、濾過する


テキーラ

  



テキーラは、

メキシコ産である竜舌蘭(リュウゼツラン)というヒガンバナ科の植物を原料とし、これを糖化、発酵、蒸留したお酒

です。

竜舌蘭の品種のうち、お酒の原料として使えるのは、

アガべアメリカーナ、

アガべアトロビレンス、

アガべアスールテキラーナ、

の3つだけです。

このうち、アガべアスールテキラーナで造られる蒸留酒がテキーラです。

ちなみに前者の2つで造られるプルケ(醸造酒)やメスカル(蒸留酒)はテキーラより安価で、メキシコの人々に広く親しまれています。

テキーラは、

アガベアスールテキラーナを100%使用した「100%ピュアテキーラ」とアガベアスールテキラーナを51%使用した「テキーラ」と2つに分類されます。


また熟成無しのものは「ブランコ」、

わずかに金色を帯びているものを「ゴールド」、

オーク樽で2カ月以上熟成させたものを「レポサド」、

1年以上熟成させたものを「アネホ」と表記されます。

【製造方法】
アガベアスールテキラーナの球茎を収穫。
(高さは2m弱、株の直径は1mある)
 ↓
球茎を蒸気釜で蒸し焼きにする
(これにより茎に含まれるデンプン質が糖化される)
 ↓
破砕、圧搾し、そこから得た絞り汁に酵母を加え発酵させる
 ↓ 
単式又は連続式蒸留器で蒸留する
 ↓
濾過、加水する
 ↓
そのまま、あるいは熟成後、瓶詰する


 
いまや世界4大スピリッツと称されるこれらのお酒ですが、もともとはそれぞれの土地の地酒です。

僕の祖父や祖母が幼い頃(昭和初期)は近所で誰かしら焼酎を造っていたと聞きます。

そういうノリの身近なお酒だったわけです。

なのでこれらのスピリッツはもっと身近になってもいいのになと個人的には思います。

熟成したものやフレーバーの効いたものなどそれぞれ種類も豊富ですから、いろいろ試してみると楽しみ方が広がっていくと思います。


まずはカクテルから


とはいえこれらスピリッツの良さを生かした代表的な”カクテル”があります。

まずはそこから知って馴染んでいけば良いかと思います。

ここではある共通点に着目し、代表的なカクテルをそれぞれ1つずつ紹介したいと思います。

ジンベース

【ホワイトレディ】
●ジン・・・1/2
●コアントロー・・・1/4
●レモンジュース・・・1/4
〇シェイク


ウォッカベース

【バラライカ】
●ウォッカ・・・1/2
●コアントロー・・・1/4
●レモンジュース・・・1/4
〇シェイク





ラムベース

【XYZ】
●ラム・・・1/2
●コアントロー・・・1/4
●レモンジュース・・・1/4
〇シェイク


テキーラベース

【マルガリータ】
●テキーラ・・・1/2
●コアントロー・・・1/4
●レモンジュース・・・1/4
●スノースタイル
〇シェイク



ある共通点とはベース以外は分量も副材料も作り方も同じという点です。

(マルガリータはスノースタイルしますが)

ロックやストレートで試す前にまずは、これらのカクテルを飲んでみてはどうでしょうか。

(辛口で度数は高いので注意は必要です)

レモンの酸味、そしてシェイクによってしっかり冷やされているので、そのままよりは飲みやすいはずです。

またベース以外の材料は同じでかつ辛口なので、飲み比べればそれぞれスピリッツの違いも何となくでも分かるのではないかと思います。

ちなみにコアントローはオレンジのリキュールです。

これまたカクテルを作る時には欠かせないお酒です。

ぜひ、参考にしてみてください。

まとめ


●お酒でスピリッツとは蒸留酒のことで、主にホワイトスピリッツのことを指す。

●ジン、ウォッカ、ラム、テキーラは世界4大スピリッツ。

●蒸留酒の語源は”命の水”

●製法の違いや生産者のこだわりなどにより熟成したものやフレーバーの効いたものなどその種類は多岐にわたる。

●何はともあれまずこれらのスピリッツをベースにしたカクテルを試してみる。


僕は、ジンのロックや熟成ラムのストレートをたまにバーに行ったときは飲みます。

ウイスキーとは違う感覚で何だか男前になれます。

バーテンダーの方も

「おっ、今日はそれをお飲みなんですね、なかなかやりますね」

的な表情をしているようで、、、。

ともかく、、、お気に入りが1つでも増えれば世界が広がります。

おすすめの銘柄や今話題のクラフトジンなど、スピリッツの魅力も随時お伝えしていきたいと思います!




管理人 かーりー

鹿児島在住、元バーテンダー。
趣味はお酒、読書、音楽鑑賞。この3つがあればとりあえず人生OKと思っている。40代、独身。

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